市販の胃腸薬は種類が多く、どれを選べばよいのか分からないという方も多いと思います。
素人の方が自分の症状に合った胃腸薬を的確に選ぶのはちょっと難しいので、薬剤師や登録販売者に相談してから購入するというのが一番良いのですが、ある程度のポイントを押さえておけば、自分でも上手に選ぶことができます。このページでは胃腸薬の選び方のポイントを、簡単にまとめてみたいと思います。
自分の症状をしっかり把握する
吐き気がどんな時に起こるのか、その時の状況を観察してみると原因がある程度分かるようになりますし、症状がきちんと把握できていると、お薬の選択がしやすくなります。
逆に、症状がよく把握できてないと適したお薬選びができません。
吐き気が起こるのは・・
- お酒を飲んだ後?
- お薬を飲んだ後?
- 空腹時?
- 食後?
- タバコを吸った後?
その時の状況は・・
- 朝(出勤前など)?
- 夕方(疲れがたまる時間帯)か?
- 過度の緊張が続いた時か?
吐き気以外の症状は・・
選び方のコツ
空腹時に吐き気がある
一般的に、空腹時に症状が出る場合は、胃酸の過剰な分泌が影響していることが多いため、制酸薬や胃粘膜保護薬が適しています。この場合、吐き気以外に胸やけや胃痛を伴うのが特徴。
これらのお薬は、服用が「食前または食間(つまり空腹時)」となっているものが多く、出過ぎた胃酸を中和したり、傷ついた胃粘膜を修復・保護してくれます。また、漢方胃腸薬は空腹時に服用した方が効果が出やすくなっていますので、ストレスによる吐き気が空腹時に起きる場合はには、漢方胃腸薬もおススメ。
食後に吐き気がある
一方、食後に症状が出る場合は、食べすぎ・飲みすぎによって消化不良が起こっていることが多いので、健胃・消化薬や総合胃腸薬が適しています。これらのお薬は、ほとんどが服用は「食後」となっています。食べすぎ・飲みすぎによる吐き気の場合、胃もたれや腹部の膨満感、げっぷなどを伴うのが特徴です。
食事に関係なく吐き気がある
空腹、満腹に関わらず吐き気がある場合は、
- 医薬品を服用している
- ストレスや疲労、風邪や夏バテで体調が悪い
- 生理中、または妊娠中である
などの要因が考えられます。
症状が一定で原因が分かっている場合は、お薬の選択もしやすいんですが、症状が一定ではない場合や、症状が多数ある場合は判断が難しいですね。複数の症状がある場合は、一番ツライ症状に合わせてお薬を選ぶようにするといいです。
また、症状がイマイチはっきりしない・・という場合は、さまざまな症状に対応できる総合胃腸薬を飲んで様子を見るという選択もあります。
胃腸薬は、大きく分けると下記の6つに分類されます。
総合胃腸薬 |
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---|---|
漢方薬 |
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胃粘膜保護剤 |
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健胃・消化薬 |
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制酸剤 |
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H2ブロッカー |
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胃腸薬を服用しない方が良いケース
食中毒、ウィルス性胃腸炎、妊娠中のつわりなど、胃腸薬を服用してはいけないものもあります。
食中毒やウィルス性胃腸炎では、激しい嘔吐や腹痛なども伴いますので、ほとんどの人が市販薬ではなく病院へ行くことを選択すると思います。市販薬の服用によって症状が悪化することがありますので、自己判断で服用するのは止めて、医療機関を受診してください。
妊娠中のつわりは、症状がひどいものを妊娠悪阻と呼んでいて、点滴によって栄養と水分を補充しなければならないケースもありますので、吐き気や嘔吐が続いてツライ場合は産科の医師に相談しましょう。