女性の更年期障害と似てるようで、ちょっと違う
女性の更年期障害は、多くの人に知られていますが、男性にも更年期障害があることは、これまであまり知られてこなかったと思います。
歳を重ねるにしたがって、疲れやすくなったり、お酒がたくさん飲めなくなったり、肉体的な衰えを感じることはあっても、それが「更年期」と自覚する男性は少ないのではないでしょうか。
実際、女性の更年期と男性の更年期では、ちょっとだけ症状や特徴が違います。女性の更年期障害では、下記の表のように身体と心にたくさんの症状が現れますが、男性の場合は、それに性に関する症状が加わります。
体で感じる症状 | 肩こり、むくみ、めまい、頭痛、のぼせ、ホットフラッシュ、手足の冷え、喉のつかえ、みぞおちのつかえ、胃腸不良、耳鳴り、下痢、便秘、発汗、頻尿、動悸・息切れなど。 |
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心で感じる症状 | 眠れない、疲れが取れない、食事が美味しくない、意欲がわかない、家事がおっくうになる、人に会いたくない、集中力の欠如、物忘れ、不安感、イライラなど。 |
いわゆるEDなど、性欲の減退や性機能の低下が男性更年期の症状としてクローズアップされがちですが、女性の更年期と同じようにホットフラッシュや冷えの症状を訴える人も少なくありません。
また、意欲の低下や気分が沈むなど、うつ症状が現れることもありますので、女性の更年期と同じように、体全体のバランスを整えていくような治療が必要になってきます。
女性のように期間が定まっていない
男性の更年期障害は、男性ホルモン(テストステロン)の低下によって起こります。しかし、ホルモン量に劇的な変化はなく、症状には個人差があります。
また、女性には「閉経」という分かりやすい現象がありますし、更年期と呼ばれるのは閉経の前後5年間(45歳~55歳くらい)という風に、年齢である程度判断することができますが、男性の場合は年齢による区切りがつけにくいという特徴があります。
いつスタートして、いつ終わるのかが分かりにくいのが男性更年期の特徴ですね。
女性の更年期障害は、特に治療をしなくても時間の経過とともに徐々に症状が軽減されていくこともありますが、男性の更年期障害では自然に改善することは少ないようです。