女性ホルモンの減少によって起こる
女性ホルモンの「エストロゲン」は、個人差はありますが40歳くらいから徐々に分泌が少なくなっていきます。エストロゲンは主に排卵を促したりするホルモンで、毎月の生理や妊娠・出産に大きな役割を果たしていますが、自律神経のバランスを整えるなど、女性が健康に過ごすためになくてはならないホルモンでもあります。
妊娠・出産期を終えて、40代くらいになってくると、エストロゲンが徐々に少なくなっていきます。脳はエストロゲンを分泌するよう指令を出すのですが、卵巣機能は加齢とともに衰えていくため、エストロゲンが充分に分泌できず、脳と体の間にギャップが生まれてしまうんですね。
その変化に身体がついていけず、倦怠感や頭痛、肩こり、めまい、不眠などといったさまざまな不調を引き起こしてしまうのです。
そのギャップに身体が徐々に慣れてきたら、更年期の不快な症状も解消していくのですが、人によってはその辛い期間が5年以上も続くことがあり、その度合いも人によって違います。
しかし、更年期は誰もが乗り越えなければならない橋のようなもので、必ず終わりが来ます。辛い症状が一生続くわけではありませんので、あまり深刻にとらえないのも乗り切るコツなのかもしれません。
性格や生活環境の変化も関係する?
更年期症状には個人差があると書きましたが、これは体質や体力の有無以外にも、いわゆる「持って生まれた性格や気質」も影響していると考えられているからです。
また、子供が大きくなって家を出た喪失感や、親の介護、引っ越し、夫の定年退職など、人生の節目を迎えた時などに精神のバランスを崩してしまい、それをきっかけに更年期の辛い症状が出てしまうこともあります。
更年期障害の症状のページでも記載していますが、更年期では下記のように心身ともに症状が出てしまうため、もともと持っている性格が影響してしまうのは、ある意味当然なのかもしれません。
体で感じる症状 | 肩こり、むくみ、めまい、頭痛、のぼせ、ホットフラッシュ、手足の冷え、喉のつかえ、みぞおちのつかえ、胃腸不良、耳鳴り、下痢、便秘、発汗、頻尿、動悸・息切れなど。 |
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心で感じる症状 | 眠れない、疲れが取れない、食事が美味しくない、意欲がわかない、家事がおっくうになる、人に会いたくない、集中力の欠如、物忘れ、不安感、イライラなど。 |
たとえば、「産後うつ」も同じですが、ホルモンバランスの変化というのは、精神面にも大きな影響を与えます。更年期はあまり無理をせずにゆったり過ごし、ツライと感じたら誰かに話したり頼ることも大事ですね。