
また、胃の蠕動運動が活発になりすぎていても、吐き気や胸焼けといった症状が起こりやすくなるのですが、ストレスによるもの以外にも、食べすぎやお酒の飲みすぎ、乗り物酔いなど、日常生活の中で起こる吐き気もあります。
二日酔いによる吐き気は、アルコールが体外に排泄されたら自然に解消することが多いので、水分補給をしながらゆっくり休むといいですね。
市販の胃腸薬の場合、ほとんどの商品の効能・効果に「はきけ」と記載されています。吐き気を鎮める成分として、局所麻酔成分や抗コリン成分(胃の過剰な働きを抑える成分)などが配合されている商品がありますが、種類が多いため選択する時はとても迷ってしまうと思います。
吐き気は、胃腸に原因があるとは限りませんから、しばらく胃薬を服用しても改善しない場合は、念のため受診することをお勧めします。
ストレスが胃に与える影響とは
胃は、自律神経によってコントロールされていて、ストレスによってその自律神経が乱れると、胃酸が過剰に分泌されることがあります。こういった状態が長く続くと、過剰に分泌された胃酸が胃の粘膜を傷つけ、炎症を起こして胸やけや胃の痛み、吐き気といった症状が出るんですね。これが胃炎です。
以前は、慢性胃炎と呼ばれたりしていましたが、最近は機能性ディスペプシアと呼ばれるようになっていますね。いずれにしても、症状が出始めた時に、食生活の見直しをしたり、休養をとる、市販の胃腸薬を服用するなどして、症状を放置しないことが大事ですね。
痛みが続く場合は受診しましょう
さらに悪化すると、胃粘膜表面のただれがひどくなった状態が胃潰瘍・十二指腸潰瘍になってしまうことも。消化性潰瘍は、空腹時の胃の強い痛みや吐き気を引き起こし、ひどくなると胃壁に穴があいたり、潰瘍部分から出血して吐血(嘔吐物に血が混じる)することもあります。
ここまでくると、市販の胃腸薬で対応するのは難しいですね。市販の胃腸薬の中には、制酸成分といって胃酸を中和する成分が配合されていたり、胃粘膜を保護する成分が配合されている商品もありますが、胃潰瘍や十二指腸潰瘍になっている場合は、充分な効果が得られないこともあります。
出血性の胃潰瘍では、少しずつ胃の中で出血しているために、ふらつきなどの貧血症状が現れることもあります(ここまで来るとかなり重い症状ですが)。胃の痛みが強くなったり、市販薬を飲んでも症状が良くならない時は、なるべく早く医療機関を受診して下さい。