OTC薬(市販薬)の特徴
OTC医薬品(市販薬)は医療用医薬品と同様の成分が使われていますが、リスクを避けるために、成分の量は医療用医薬品の半分とか3分の1程度に抑えられています(一部の商品では、医療用と成分量が同じものもあります)。
また、お医者さんでもらう薬の場合は、風邪を例に例えると「総合感冒薬」などは処方されません。医療用のお薬は基本的に単味剤と言って、一つの錠剤に一つの成分が入っていますので、症状に応じて複数の医薬品を処方します。
一方、OTC医薬品(市販薬)では、一つの錠剤の中にいくつかの成分が配合されていて、いくつかの症状に効くように作られている事が多いのが特徴です。総合風邪薬が良い例ですね。熱や咳・鼻水など複数の症状に効く成分が一つにまとめられています。

OTC医薬品は、効き目がマイルドであるとの表現をする事ができますが、最近ではスイッチOTCと呼ばれる薬が登場しています。スイッチとは、転用の意味で、医療用医薬品を市販薬にほとんどそのまま転用している医薬品と言う意味になります。
多くの患者さんに長く使われてきた医療用医薬品で、「薬局で、市販しても良い」と承認された薬のことです。元々は医療用医薬品なため、効き目がシャープです。
スイッチOTCには次のようなものがあります。
OTC薬(市販薬)の注意点
薬局で手軽に買える医薬品(市販薬)は、病院に行く時間がない時にとても便利ですが、注意すべきこともあります。OTC医薬品は、安全性を考慮して、医療用医薬品よりも有効成分の含有量が少なくされていることが多いのですが、用量や使用方法を誤るととても危険です。
添付文書をよく読み、「この薬を使用してはいけない人」に該当しないかを確認し、決められた用量・用法を守って服用しましょう。
特に、過去に医薬品でアレルギー症状を出したことのある人は、注意が必要です。医薬品はたくさんの成分が含まれていることがあり、 アレルギーの原因となる成分を見落としやすいのです。
また、決められた用量を服用しても症状が回復しない場合に、用量をどんどん増やしていくことは絶対にしてはいけません。そんな時は、購入した薬が症状に適していないということが 考えられます。症状の原因を特定するために、医師に診察してもらいましょう。
また、用量を増やすことで副作用がでる可能性も高くなります。いずれにしても、自己判断は危険ですので、薬の使い方については、薬剤師や登録販売者に相談しましょう。