今どきの痔の手術は痛くない~麻酔の方が痛いかも~


今どきの痔の手術は痛くない~川口肛門胃腸クリニックの院長先生に聞く~

大昔は確かに痛かったが、今どきそんな痛い治療は行わない

普段は聞けない、痔の診察についての話し~触診や肛門鏡を使った視診~に引き続き、埼玉県・川口肛門胃腸クリニックの山本院長先生にお話を伺い、その内容をまとめました。本ページでは、痔の手術の際の痛みに関して、記述しています。

当サイト管理人である私の場合、肛門手術を終えて約1週間も入院するほど本格的に切ったのですが実は入院期間中も退院後も、一度も痛みを感じなかったんです。しかし痔の手術は痛いとよく聞きます。いったい痛いのか痛くないのか、実際に多数の手術を行っている医師はどう思っているのか聞いてみました。

すると、・・・結果、痛くなかったという患者がほとんどなのだそうです。特に裂肛のような、手術を受ける前に強い痛みを何度も味わっている患者は、手術後に全く痛くないと表明する人が大半との事で、まさにこれは私の事を言っているみたいでしたね。

実際に手術をした人の中で、ある程度の痛みを感じる人は2割くらいで、残りの人はケロッとしているのだそうです。痛みを感じるのは特に酷い痔を長年放置したような人で、いぼ痔が肛門の全周囲に外に飛び出してきたような人など、一部の人だけのようですね。


(怖がっているみたいですが、実際には痛くありません。安心しましょう。)


このような患者さんは内痔核に対して何か所も切る事になるからで、切除したあとに老廃物が内部にとどまらないで、自然と外に排出されるように誘導する塩梅で切除を行い、そこが痛みます。内部だけで処置できる内痔核、例えばクリニックで行っているジオン注射療法(後述)や、私が受けた結紮術は全く痛みません。

私は切れ痔部分を切除したほかに、内痔核を2つ、結紮術で除去しましたが、内痔核が痛くないのは当然で、その部位には痛みを感じる神経が無いからなのです。つまり、痛くなりようがない。(同じように大腸内視鏡検査でポリープを切除する時も、全く痛くありません。大腸の粘膜は痛みを感じないからです。)

痔のタイプを確認する時はコチラのページ


ただ、全く痛みが無いというのは言い過ぎで、排便する時にピキッと来るような痛みを感じる人は多いです。ただそれも、激痛が走るというようなものではないので、よほど酷い手術をした人以外はそんなに心配するような事でもありません。(ちょっと痛いような気がする、程度だと思います。)

参考までに、私が入院した時の入院患者さんは、痛むことの方が多い印象でした。それも当然で、日帰りで手術できないほどに悪化した人も多かったので、そこまで行くと「痛みを感じる2割」の部類に入る訳です。

なお、痔ろうの手術、特に単純痔ろうと呼ぶものは、基本的にほとんど痛くありません。複雑痔ろうで蟻の巣のように病巣が有って、それを一挙に切除するとさすがにズシリと来るようですが、その場合も肛門そのものが痛むのではなくて、メスを入れた筋肉などの部分が痛みます。

それでも激痛が襲うとか、そういうのは無いそうですし、実際に私が入院している時の痔ろう患者は、症状が出ている時の方が断然痛くて、手術後は本当にケロッとしていて、痛そうな人はいませんでした。(ただしお尻の筋肉を広げてから縫い付けるので、とにかく座れないと言ってこぼしていました。)

山本先生に聞くと、痔の手術は二階から飛び降りるくらい痛いなどと恐怖しながら来る人がいるそうですが、やはり実際に手術を受けると、「え?こんなもんだったの??」と驚く人が多いようですね。

ネット上には「肛門の手術は痛くて死にそうだ」とか書いている人もおられます。ただ、わざわざ手間をかけてネット上に掲載するほどですから、そうまでしても書きたかったレベルの人達なのです。

つまりほとんどの人は痛くないのに、その人たちは長年診察を受けずにかなり症状が悪化して、極限までひどくなってから手術を受けたと思われ、繰り返しになりますが、大多数の人はケロッとしているのが実態です。

さらには、大昔に手術が痛かった時代の経験者が、最近の医療技術の進歩を全く知らないで、「痛い痛い」と吹聴して、それを聞いた人間が余計に恐怖を感じるという構図もありそうです。

ネット上の情報が必ずしも正しい訳ではないので、必要以上に怖がる必要などありません。現に私は日帰り手術では済まないような手術を受けたにもかかわらず、一度も痛みを感じずに退院しましたので。



一部の人は少々痛む、・・・それはどんな人、どんな時なのだろうか?

肛門括約筋の緊張が強い若者は、痛みが出る事もある

肛門括約筋の緊張の強い若者が時折いて、そういう人が内痔核の手術をした後は、痛みを感じやすい傾向はあるそうです。

術後に患部は腫れるのですが、それを少しでも感じると肛門括約筋がギュッと肛門を締めつける、そうすると患部周辺のリンパの流れが阻害されて患部のむくみが解消せず、余計に患部を締め付けて痛みを強く感じてしまうとの事。

私が所沢肛門病院に入院した際、「入浴をすると肛門括約筋の緊張が取れて痛みが軽減する顕著な効果があります」との事で、入浴を強く推奨していました。まさにその話と関連する内容になりますね。

なお、若者と全く反対、お尻がゆるゆるのおじいちゃんおばあちゃんは、ほとんど痛まないそうです・笑。



肛門の手術時の局所麻酔が非常に痛い例 ~麻酔の話し~

ここからは、意外な盲点、麻酔の話しです。川口肛門胃腸クリニックでは、痔の手術の際には仙骨硬膜外麻酔を行うそうです。この麻酔は、効いても足を動かしたりできるし、2時間くらい休めば歩いて帰れるもので、クリニックの日帰り手術でこの麻酔を使用しています。(ほぼ尾てい骨のあたりに注射します)

仙骨硬膜外麻酔について動画で説明:バイエルウェブサイトより手術シーンが出てきますから注意


ちなみに私が痔の手術の時に打たれたのは腰椎麻酔で、腰の部分の背骨から硬膜内に打ち、下半身全体に作用、効き目も4時間ほどは効いていて、半日ほど動けなくなります。硬膜から髄液が染み出ることによる副作用の頭痛もあり、私はこれに悩まされました。。

ところで、硬膜外麻酔を使わない医院は、肛門の患部に対して局所麻酔注射を4か所に打つ必要があり、これがかなり痛いそうです

クリニックの先生曰く、「自分が打たれるとしても1回は我慢できるが4回は嫌だ、脳天に響く」と称しており、かなり痛い模様。

(ただ、術後にすぐに帰宅したいという要望があれば、局所麻酔しか選択肢はありません。したがって痛くない手術を極力望むのであれば、時間に余裕を持つようにして下さい。)

もしかしたら痔の手術が痛いと称する人は、この麻酔注射が痛かったという事である可能性も大きいですね。医師としては局所麻酔の方が仙骨硬膜外麻酔よりもはるかに簡単で、合併症などの心配もなく神経も使わない事からそれを行うようです。

ただ、とにかく痛いので、痔の日帰り手術を行っている病院を見つけても、手術前の麻酔が局所麻酔なのか仙骨硬膜外麻酔なのかを、まずは電話で聞くなりして確かめてみると良いと思います。

仙骨硬膜外麻酔は肛門科と泌尿器科くらいしかやらない、麻酔術としては使用機会の少ないものですから、肛門科でなくて普通の外科などで肛門手術を受ける場合は、局所麻酔が多いかもしれません。使用機会が少ない麻酔方法なので、通常の病院の麻酔科の先生も使用しない事が多いようです。



こちらの手術、ジオン注射療法は痛くない

ところで川口肛門胃腸クリニックでは、内痔核の手術は、ジオン注射療法を採用しています(クリニックのホームページではアルタ注射療法と表現していますが、全く同じ方法です。)

私が手術を受けた結紮術とは違って、日帰り手術では多くの病院がこの方法を採用しているようです。方法はとても分かりやすく、既に解説した肛門鏡を使って患部を確認しつつ、内痔核に薬液を注射するだけ。

この薬液が患部にわざと炎症を起こさせ、そのあとに炎症が収まると同時に患部が収縮して、そこに「張り付いた」ような状態になるようです。特に出血を繰り返すような内痔核は、出血がピタッと止まる事が多いとの事。1年もすれば、ほとんど分からなくなるようですね。


(赤い丸で囲んだ部分が内痔核。ここに薬液を注射します。)


この手術は、仙骨硬膜外麻酔の時に尾てい骨のあたりがチクリとする以外は、ほぼ全く痛くないと言っても過言ではありません。というのも、メスで患部を切除する事が全くないので、痛くなりようがありません。

結紮術の場合は内痔核に輪ゴムを付けて患部を壊死させて、手術後1週間以内に内痔核がポロリと取れるのですが、その際にわずかに出血することがあります。(内痔核に輪ゴムを付けるイメージが湧きにくい人は、下記の動画をご覧ください。)




ジオン注射療法は、肛門鏡の挿入がスムーズにいく人であれば、極論すれば麻酔さえかける必要が無いとも言えてしまいます。大昔に痔の手術を受けた経験のある人から見たら、信じられない「痛くない」治療法と言えます。



手術後に痛むのは、よほど酷く症状を悪化させた人くらい ~だから早目に診察を!~

以上、川口肛門胃腸クリニックの山本院長先生から、痔の診察や手術の際の気になる点を聞いてまいりました。診察中にどういう事をされるのか、あるいは手術中に何が行われるのか、いや、それよりも手術をしても痛くない人が大半だという事が分かりました

山本院長先生によると、私のようによほど切れ痔が酷くなって、肥大乳頭にまで傷が拡大した場合などは難しいが、切れ痔(裂肛)の場合も日帰り手術は普通にできるとの事です。裂肛で肛門が狭くなった場合、まれに筋肉を緩める処置を取る事もあるが、それも日帰りで出来てしまうようですね。




ただし裂肛でも痔核でも、肛門部を3か所以上切る必要が有ったり、複雑な痔ろうのように傷の範囲が広い場合は、入院できる病院での手術をおススメしているようです。お年寄りとかリタイヤ世代で「ゆっくり入院して負担を最小限にしたい」という希望を持っている人もおり、その場合も入院できる病院を紹介するそうです。

入院する患者さんは、全体の2割~3割くらい。裂肛で入院する人はほとんどいなくて(私的には意外でした)、多くは痔核および痔ろうのケースだそうです。

痔核で入院になる具体例としては、内痔核がまるで「キャベツ」のように肛門から飛び出るくらい酷くなったような全周性の内痔核などは、日帰り手術では責任が持てなくなるケースも考えられるので、入院を勧めるそうです。

話しをお聞きするだけで「怖いな~~」と思いますが、意外とそういう人も多く、そんな状態でもまだ手術しないで頑張ってしまう人もおられるとの事ですから、凄いとしか言いようがありませんね・苦笑。

ちなみに、痔核で肛門部が狭くなり、外来での診察で中を見ることもできないような人もいるそうで、しかし、そんな人でも不思議とウンチは出るもので、ウンチが出る以上頑張ってしまって、診察が遅れる事につながるみたいです。

川口肛門胃腸クリニックの診察室のデスクの上
(川口肛門胃腸クリニックのデスクの上を撮影。可愛らしい雰囲気で、怖くありません(^^♪)


いずれにしても、1つハッキリ言えている事は、痔になったような気がすると思ったら、すぐに病院に行くことですね。本ページでは手術の話しをしましたが、ほとんどの人は手術などしなくても、薬で治すことができます。

手術をしなくてはならないのは、いぼ痔だったらいぼが肛門から飛び出してくるような人、裂肛ならば見張りいぼが見られるような進行した人、あとは痔ろう患者です。

痔が初期の程度だったら、ほとんど完全に薬で治りますので、さっさと肛門科で診察を受けて、肉体的、精神的、金銭的、物理的、時間的に負担のかかる、手術を回避しましょう。

また、手術しなくてはならないケースでも、手術患者の8割ほどは痛くないで終わります。という事は、痔の手術をして「痛い痛い」と言っている人は、ごくごく一握りの人だけですから、全く怖がることはありません。

繰り返しになりますが、私の受けた痔の手術の際には、一度も痛いことがありませんでした。今回、山本院長先生の話を伺って、「やはり本当に痛くなかったんだな」と知って、とても納得感がありましたね。

私の場合、手術後3週間経ってから診察を受けた際に、肛門をグリグリされたのが一番痛かった。術後2週間程度経過して、肛門が狭くなりそうな人は、わざと広げてやるケースがあって、その際は可哀想だが少々痛いが、肛門を広げるそうです・笑。

という事で、結論です

痔になったら、早く病院に行けば行くほど、全く痛くない。極限まで悪化させると、手術後に痛みが出る。ただし20年30年前と違って、二階から飛び降りるような痛みは今は考えにくいです。痔を患っている時の痛みの方が断然痛いので、さっさと病院に行きましょう~。経験者は語る(^^♪

痔に効く市販薬のページはコチラ(初期の痔に有効です。治らないと感じたら診察を!)




川口肛門胃腸クリニックの公式サイトや場所

以上、今どきの痔の手術は痛くない、痛くない事の方がはるかに多いという内容でした。なお、診察を受ける方は、受付時間や痔についての知識等を、事前にクリニックのホームページにて確認しておいてくださいね。

川口肛門胃腸クリニックの公式サイト

川口肛門胃腸クリニックの院長先生に、痔の事を詳しくお聞きするコーナー

カテゴリ別に見る

症状別・製品別に見る