知っていないと怖い便秘薬の副作用について。薬選びは自分だけで判断しないことが大事です。


甘くみてはいけない、便秘薬の副作用

「この薬は効く」と思って飲むと、本当に効き目が良くなるって御存知でしたか?
プラセボ効果と言いますが、お薬の作用や効果を知って飲むと、お薬の効き目がアップすることが分かっています。

だから、自分が飲む薬のことは、ちゃんと理解した上で飲んだ方が良いんです。それと同時に、デメリット(副作用)も知っておくことが大事ですね。

どんなお薬にも副作用は必ずあります。副作用には程度の差がありますが、副作用のことをまったく知らずに飲むのと理解して飲むのとでは、何かあった時の判断や対応が違ってきます

便秘薬の副作用のイメージ



自覚症状のない副作用もある

便秘薬の副作用として代表的なものに、「薬を常用しているうちに、段々と効かなくなる」ということがあります。また、「便秘薬を飲まないと排便できなくなった」とおっしゃる方もいます。

本来、健康な腸は自力でぜん動運動をして、内容物から適度に水分を吸収して、規則的に(通常は1日1回)排便に導きます。しかし、便秘薬を飲むと、薬で無理やり腸を動かしたり、水分の吸収を妨げたりするため、体に大きな負担をかけていることになります。

そして、便秘薬を常用することで腸が刺激になれてしまい、鈍感になっていくんですね。ですから、気がついたら以前と同じ量では効かなくなっていたり、薬が手放せなくなっていたりするんです

ほとんどの人は、この経過に気付きません。それは、特に困った自覚症状がないからなんですね。痛みや下痢などの何か困った症状があれば「おかしいな」と思うんでしょうが、知らず知らずのうちに進むので、「気がついたら、こうなってた」とおっしゃる方が少なくありません。



お薬のタイプ別、気をつけたい副作用

刺激性の便秘薬の注意点

腸に刺激を与えてお通じを促す便秘薬は、アントラキノン系という成分を配合しているんですが、それらの便秘薬の副作用として代表的な症状に、上記にも書いた「お薬への慣れ」があげられます。

該当する市販薬では、コーラックやコーラックⅡ、スルーラックS、ビューラック、カイベールCなどがありますが、漢方薬だったら安心というわけではなく、センナやダイオウなどの生薬でも同じように、長い期間使い続けると効き目が薄れてくることがあります。

また、子宮を収縮させる作用もあるため、妊娠中の方や妊娠している可能性のある人は、使用を避けましょう。下剤は母乳を通過してしまうため、お母さんが下剤を飲むと赤ちゃんも下痢になることがあります。授乳中の人も服用しないようにしましょう

そのほか、アントラキノン系成分の長期間の常用で「大腸黒皮症」という症状が出ることがあるのですが、それはこのページの下の方でじっくり解説します。

繊維性の便秘薬で気をつけること

繊維性の便秘薬は、お腹が痛くなりにくく、クセになりにくいという特徴があるため、比較的安全といか、初心者の方にもおススメしやすい便秘薬です。

しかし、繊維質が水分を吸収して大きく膨らむため、腸管が細くなっている人(腸閉塞を起こしやすい人、もしくは過去に腸閉塞を起こしたことがある人)は、要注意です

また、お腹のハリが強い人や、便がカチカチに硬くなっている人にとっても、お腹が膨れてしまう繊維性の便秘薬は、ちょっと辛いかもしれません。水分が少ないと効果があまり出ませんので、薬と一緒に多めのお水を飲むことも忘れないでください

繊維性の便秘薬の注意点のイメージ


マグネシウムの便秘薬で気をつけること

マグネシウムの便秘薬(塩類下剤)は、浸透圧を利用して腸内の水分を増やし、お通じを改善していく便秘薬です。

お腹が痛くなりにくく、作用も穏やかですが、腎臓の機能が低下している人はマグネシウムが体に溜まりやすくなって、高マグネシウム血症という症状を引き起こすことがあります。

また、心臓への負担もありますので、特にご高齢の方の場合は服用する前に医師や薬剤師にご相談くださいね。特に腎臓病の診断を受けていなくても、加齢によって腎臓や心臓の機能は低下していることがありますので、マグネシウムの便秘薬を常用しない方が良いです

漢方の便秘薬やアントラキノン系の便秘薬で気をつけること

大黄甘草湯などの漢方の便秘薬は、作用が穏やか・副作用がないというイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、実は意外に大きな副作用が現れることがあるんです。

甘草が配合されている漢方薬では、長期連用によって「むくみ」が出たり、偽アルドステロン症という症状を起こすことが分かっています。

また、センナ・大黄・アロエなどのアントラキノン系の成分は、長期間の服用で腸内の粘膜が黒ずむ「大腸黒皮症」を発症することがあります。下記の写真の左側は正常な人の腸内で、右側の写真は黒皮症(大腸メラノーシス)になっている人の画像です。



粘膜が黒ずむだけでなく、腸の動きが悪くなったりしますが、痛みなどの目立つ自覚症状はないことがほとんどです。この写真を見ると、便秘薬を常習することの恐ろしさがよく分かるのではないでしょうか。

ただ、この状態にまでなると、通常の便秘薬の量では効かなくなっていて、決められた量の何倍ものお薬を飲んでいる人もいたりします。

便秘の改善とは、自力で自然に排便できるようになることなので、薬に頼らないといけない状態はどう考えても異常です。もし、便秘薬が手放せなくなっていたり、何錠も飲まないと効果が出なくなっていたら、医療機関できちんと診断を受けて、適切な治療を受けてください。

便秘について知ろう!

カテゴリ別に見る

症状別・製品別に見る